2011年3月22日火曜日

節税と適格退職年金の分配一時金

適格退職年金(閉鎖年金型)の廃止により受給待期者に支払われる残余財産の分配一時金は、当該受給待期者に帰属する残余財産が支給されるものであり、年金に代えて支払われる退職一時金とは性質が異なります。
 したがって、分配一時金は、所得税基本通達31-1(1)の「年金に代えて支払われる一時金」に当たらず、所得税法第34条《一時所得》第1項に規定する「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないもの」に該当すると認められますので、一時所得として取り扱われます。

適格退職年金制度は、法人税法の規定により廃止されることが決定しており、引き続き税制上の優遇措置を受けるためには、廃止期限である平成24年3月31日までに、他の企業年金等(厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金又は中小企業退職金共済)へ制度として移行し、資産移換を完了する必要があります。
 廃止期限まで既に2年を切っている中、企業年金等へ移行するには、制度設計、労使合意、行政の認可・承認等の手続きに1年半程度は必要であるため、時間的猶予がありません。




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